紅き天
「ほぉ。」



宗治は強面だが、なかなか話を聞くのが上手く、あっという間に二人の機嫌を直した。



「あと、人形劇を見たんです!



静乃もさっきまでのしおらしさはどこへやら、膝立ちになって頬を染めた。



「また連れて行って。」



疾風は宗治の着物の裾にすがりつき、ねだった。



「うーん、お前が店の手伝いをしたらな。」


「する!」



宗治は上手く手伝いの約束までこじつける始末だ。



「その時は静乃も一緒にいいでしょう?」



上目遣いに息子に見つめられ、宗治は頷いた。



「お前達はいつも一緒だな。
ああ、疾風は静乃を嫁にもらうんだったか。」


「父様!」



疾風は顔を真っ赤に染めて俯く静乃に目をやり、また父親に視線を戻した。



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