紅き天
「何がおすすめ?」


「団子だって。
お茶とも合うらしい。」



行こうか、と歩き出した疾風の後を、静乃は急いでついて行った。






「すいません、団子2つ。」



注文した疾風は静乃を待たせてあった席に足早に戻って来た。



「静乃と出掛けるの、久し振りだな。」


「そう?
この間町に行ったばかりじゃない?」


「前は3日に一回会ってただろ?」



少しムッとしながら言う疾風に、静乃は不覚にもドキッとしてしまった。



駄目、恋なんかしてしまったら後からつらい思いをするだけ。



静乃は毎度の事ながら、胸に手を当て、深呼吸する羽目になった。


そして毎度の事、疾風を不審な顔にさせた。



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