紅き天
「この後どうする?」



まだ一緒にいようという感じを込めて、疾風は言った。



「ん~、帰るかな。
バレたら大変だし。」


「そうだな。」



声が沈んだのは否定出来ない。



静乃が気付いたかはわからないが。



「じゃあ送るよ。」


「ありがと。」



ホッとしたような声を上げた静乃に、気付いていたんだなとわかる。



俺って最低。



それから疾風は努めて明るい声を出した。




仕事上、こういう演技は慣れているはずなのに。







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