紅き天
静乃相手だと、素に戻ってしまう。



いい意味でも、悪い意味でも静乃は俺を狂わす。



疾風はてくてくと隣を歩いている静乃を見下ろした。



あ、簪が変わった。


肩幅も小さいな。



次々と、静乃の変化に気付く俺。



まあ、肩幅は変化ではないけれど、日に日に体づくりをして筋肉がついてくる自分と比べると、余計にそう見えてくる。



すべてが愛しい。



今すぐ、腕を回して抱き締めたい。



でも、それは出来ない。



すぐ隣にいるのに、許されない。



静乃は俺をただの幼なじみとしか思っていないだろうし、コイツを闇の世界に引きずり込むのは気が引ける。




< 48 / 306 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop