紅き天
「なんだ!?」


「こっちの台詞。
言っとくけど、疾風がもたれかかってきたんだからね。」



ハアッ、とため息をつくと、疾風は慌てて謝ってきた。



「悪い悪い。」



まったく、もう。



「どうしたの、今日遅いんだね。」


「ちょっと昨日色々あって…。」



げんなりして、疾風は言った。



「色々って?」


「ん?
色々。」



話さないらしい。



…もう、疾風はいつも秘密にするんだから。



「まあいいや。
ねえ、今日大丈夫?」


「ああ、多分。
なんで?」


「ちょっと、出かけない?
いい天気だし。」




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