紅き天
疾風はクスッと笑って、静乃の帰りを待った。



「疾風!!」



表情でわかる。



OKをもらったんだ。



「よかった、父様が許してくれた。」



えへへ、と笑う静乃が愛しい。



疾風はつられて優しく笑った。



「じゃあ、後で迎えに来るよ。」


「わかった。
着替えておくね。」



静乃はまたえへへと笑い、店の中に入っていった。



きっと、新しい綺麗な着物を着てくるんだろう、と疾風は思った。



静乃は木更津の一人娘だから、親が呉服店なのもあり着物がたくさんある。



まあ、それで調子に乗らないのが可愛い。



疾風はニヤニヤと笑いながら店に戻った。






< 7 / 306 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop