平凡な恋の話 No.2
私はすぐにポケットの中に
入れていた手鏡をみた
『あぁ・・・
私・・・こんな顔してたんだ』
熟したリンゴみたいに真っ赤な顔に
半開きの口・・・
トロンとした大きな瞳・・・
ホントに・・・これが私・・・?
この時もう何も考えたくなかった
また混乱してしまうから・・・?
・・・違う・・・
何か考えたら海我先輩が
頭の中に出てきそうだから・・・
『瑠璃・・・
私、今から帰っていい??』
私は両手で顔を覆うにして
目を輝かせている瑠璃に言った
まぁ・・・
答えは分かってたけどね・・・?
『はぁ?
ダメに決まってんじゃんっ』
・・・やっぱりね
『・・・今からどうしよう・・・』
私と瑠璃は少しの間だけ練習を
サボることにした
もちろん楽器を持って場所移動
『んで、みくさんやぁー』
時計塔のながぁ~い階段の途中に
きて座り込むと
どこかに居そうなおばさんみたいに
瑠璃はしゃべりだした
『みくさんやぁー
あんさんはぁ海我先輩のことが
好きなのかぁ~?』
『・・・好きって・・・
どんなのかわからない・・・』
正直に言ってやった