平凡な恋の話 No.2




 『はぁ、はぁ・・・・』

 私はしばらくの間走り続けていた

 瑠璃がどこにいるかも気になるけど

 今、1番気になってしまうのは

 ‘海我巧夜’という人物・・・

 瑠璃・・・

 完璧にわかったよ・・・

 ‘ドキドキ’ってことが

 私はそう思いながら廊下にあった

 棚の上にトランペットを置いて

 床の上に体育座りをした

 『もう・・・人間って

  色々感情ありすぎだよ・・・

  あるならこんなのがありますよ~

  とか、説明みたいなのが

  あればいいのになぁ・・・』

 私は自分でも奇妙と思うことを

 独り言として言った・・・

 自分でも自分が分からなくなって

 私は両膝上におでこをつけた

 こんな時はなぜかわからないけど

 ‘歌’が非情に歌いたくなる

 私は顔上げると大きく息を吸い

 小さい声で歌った

 大好きな歌・・・

 優しいメロディ・・・
 
 どんどん流れ出る涙
 
 これを歌うたびに思い出す

 あの時のイヤな思い出

 ‘やっぱり歌うのは嫌いだ’

 そう思って

 私が歌うのをやめようとした時

 『なんでやめんだよ

  もっと歌え・・・』

 優しいけど力強い声が聞こえた

 声の主は見る前にわかっちゃったよ


 

 

 
< 15 / 26 >

この作品をシェア

pagetop