平凡な恋の話 No.2
『はぁ、はぁ・・・・』
私はしばらくの間走り続けていた
瑠璃がどこにいるかも気になるけど
今、1番気になってしまうのは
‘海我巧夜’という人物・・・
瑠璃・・・
完璧にわかったよ・・・
‘ドキドキ’ってことが
私はそう思いながら廊下にあった
棚の上にトランペットを置いて
床の上に体育座りをした
『もう・・・人間って
色々感情ありすぎだよ・・・
あるならこんなのがありますよ~
とか、説明みたいなのが
あればいいのになぁ・・・』
私は自分でも奇妙と思うことを
独り言として言った・・・
自分でも自分が分からなくなって
私は両膝上におでこをつけた
こんな時はなぜかわからないけど
‘歌’が非情に歌いたくなる
私は顔上げると大きく息を吸い
小さい声で歌った
大好きな歌・・・
優しいメロディ・・・
どんどん流れ出る涙
これを歌うたびに思い出す
あの時のイヤな思い出
‘やっぱり歌うのは嫌いだ’
そう思って
私が歌うのをやめようとした時
『なんでやめんだよ
もっと歌え・・・』
優しいけど力強い声が聞こえた
声の主は見る前にわかっちゃったよ