平凡な恋の話 No.2
『どうしたんだ?
もう帰る時間だろ?』
あくびをしながら海我先輩は
私の方へとのんびり歩いてきた
『あ、あのですねぇ・・・』
私は急に恥ずかしくなってきて
パッと下を向いた
『・・・・
・・・・・・・・・・・!』
『はい?
全くきこえんぞ?』
当然だ
下を向いてるし、
声は小さくしてるし
絶対に聞こえるはずがないっ!
『顔上げてっ!
大きな声で言・え・よ!』
海我先輩は私のほっぺを
引っ張りグルグルとまわす
『いたたたたたたたっ』
私はほっぺの痛さで
自然と顔上げていた・・・
先輩は手加減ってモンを知らんのか
そんなことを思いながら
私は海我先輩の目を睨むようにみた
『良い瞳だ・・・』
先輩はボソッとつぶやく
『さぁ、さっき言ったことを
もう1度顔を上げて
大きな声で言え』
うわっ・・・命令形だ
・・・まぁ仕方ないのかなぁ
私はほっぺを引っ張っている
先輩の手を払い落とすと
大きく息を吸い・・・