平凡な恋の話 No.2

 『海我先輩・・・

  音合わせは終わったんですか?』

 変な先輩=海我先輩だよねぇー
 
 『・・・終わってない』

 『えっ・・・

  さぼりですか?』

 私はムスッとしている海我先輩を

 少し見上げる感じで笑いながらみた

 『さ、さぼりじゃねぇーよっ!

  ただ、泉先輩が見に行けって

  うるさいから来ただけだ!!』

 海我先輩は私とは目を合わせないで

 どこか窓の外をみていた

 あぁ・・・そうなんだ・・・

 泉先輩に言われて来たんだ・・・


 ・・・あれ、おかしいな・・・?

 なんでだろう・・・

 私、とってもガッカリしてる?

 そういえば、海我先輩が来たとき

 ちょっとうれしかったかも・・・

 ・・・・・。

 どうでも・・・いいのかな?

 いいよ、ね? よね?

 『でだ・・・

  なに叫んでたんだ、クソガキ

  ・・・おい、どうしたんだよ』

 私はいつの間にか下を向いていた

 なんか、顔をあげるのがイヤだな

 もう・・・

 私、どうしちゃったんだろう?

 『オイッ、練習するぞ!

  顔あげろっ・・・って・・・』

 ・・・海我先輩の顔が

 驚いたようにみえる・・・

 見えるんじゃない

 驚いてるんだ・・・

 私の顔をみて驚いてるんだ

 やっぱり変な先輩だなぁ・・・

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