【短】イケてる彼氏の真実
病院
目が覚めると、
アタシは見知らぬ場所にいた。
薬の独特の臭いに気分が悪くなる。
病院…?
そっか。アタシ倒れたんだ。
「奈津美!?」
「あ、お母さん」
「気分はどう?」
「大丈夫。仁は?」
「今、先生から話聞いてる。もうすぐ戻ってくると思うわ」
「アタシ…仁の役に立てなかった」
「え?」
「仁に毎日ダメ出しされてた。アタシ、ダメだね」
「そんなことないわ。仁君奈津美がいるだけでいいって言ってたのよ?」
「え?」
「仁君ね、奈津美が同居する前にアタシに頼みに来たの。その時にね、俺は奈津美がいるだけで幸せなんです!ってね」
「そんな…っクッ」
アタシは溢れんばかりの涙にたえた。