首筋、君の手が触れた。




分かり切っているようだが、

案外、高校生くらいだと、

自分がそんなランク付けを、

無意識にしているとは、

気づかないものなのだ。

だからこそ、怖い。

わかるだろうか?








佐倉茜はわかっていた。

ずっと小さい時から。

そしてそれを憎悪していた。

しかし茜はわかっていた。

茜は哀しい人間だった。

物分かりが良すぎた。

大人になるのが速すぎた。

だからわかっていた。

それが必要不可欠であること。









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