首筋、君の手が触れた。
掌を握るその時、笹島は。
俺の匂いがする、見慣れた光景。
なのに、少し空気が違うんだ。
なぜか?
好きな人がいるからだ。
だけど。
笹島は感じていた。
なんか、変な感じ。
俺が飲み物取りに行く前後で、
なぜか空気が張り詰めていた。
まず、佐倉さんの様子が変。
なんか、すっごい嬉しそう。
顔に出てるわけじゃない。
ただ、少し頬が赤くなった。
あと、これは気のせいかもしれないけど、
目が、うるんでいる。
一体、何なんだろうか?
対して、境はというと…
こいつは全く変わらない。
本当よくわからん奴だ。
でも、なんとなく、
醸すオーラが張っていた。