首筋、君の手が触れた。
この年齢の人間というのは、
実に扱いづらいと、
茜はつくづく思う。
まだ諦め切れていない人が、
あまりに多いからね。
まぁ薄々、感付いてはいる。
でも、やはり、まだね。
自分は必ず重要で、
他の人間より、どこか、
秀でたものがあると、
そう信じていたい。
そういう望みが
捨てきれないのだろうね。
私なんかは、
ハナから、
自分がこの世に不必要だって、
わかっているからね。
そんな望みを抱く余地が無い…
なんて、茜は自分を皮肉った。