首筋、君の手が触れた。
さぁ、そろそろ行かないと。
周りを見渡し、美優を探す。
美優とは、中学からの友人。
頭も良く、常識もあるので、
一緒にいて、他の人ほどは、
くたびれないので、茜は好きだ。
美優はどうやら、
少し離れた所で、
彼氏と話している。
あぁ、楽しそう。
茜は嬉しくなった。
何しろ、
美優とその彼氏、山本を、
引き合わせたのは、
茜なのだ。
『美優?お邪魔して悪いけど…
そろそろ行こう?』
『おっ、佐倉。久しぶり!』
『久しぶり。』
山本は、嫌いじゃない。
嫌いだったら美優に会わせない。
山本は優しい。
良くも悪くも、だけれど。
『そうだね、行こうか。
じゃあまたね、一樹!』
『またな、美優、佐倉。』