首筋、君の手が触れた。


オレンジ色が近づいてくる。


7時9分。

電車が来た。

彼は乗った。

まだ会社員が、

ちらほらとしかいない。

学生は、智晴以外いない。

今日は新学期初日だ。

登校はどの学校も、

通常時より遅い。

だから、

遠い学校に通う生徒も、

今日ぐらいは、と、

一本か二本、遅いので行く。

しかし、彼は変わらない。

彼は人混みが嫌いなのだ。




7時10分。

橙色の電車は走りだした。




< 22 / 110 >

この作品をシェア

pagetop