首筋、君の手が触れた。
学校の最寄り駅の目の前にある、
無料の駐輪場から、
自転車に乗れば、
学校に、7時半には必ず着く。
その駐輪場には、まだ、
他の人間の姿は見られない。
それもそのはずである。
今日は新学年初日。
本来は、9時半に集合なのだ。
極端に言えば、
9時の電車でも、
下手したら間に合うのである。
だから、みんな今日くらいはと、
ゆっくり登校するのだ。
智晴以外は。
そして彼は、
予定通りの7時半に、
学校に到着した。