首筋、君の手が触れた。



中学2年の時のこと。

彼女は悩んでいた。

成績が伸びなかった。

だんだん落ちてゆく。

周りは頼れなかった。

彼女のクラスは学年最下位。

学校自体も素行が良くない。



友達は皆、気さくだった。

素行はともかく、優しかった。



しかし、彼女は頼れなかった。

彼女、茜は怖かった。



彼らからしてみれば、

茜の成績は次元が違う。

そもそも勉強に対する感情が、

全く、根底から別物なのだ。

茜は彼らが好きだった。

そして妬ましかった。




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