首筋、君の手が触れた。


勉強以外に賭けれる物がある。

勉強なんかに縛られない。

そんな彼らが羨ましくて、

とてもとても妬ましかった。


しかし、と、茜は自分を省みる。

自分は勉強しかない。

他に何もない。

それを否定されたら。

彼女はそれが怖かった。



おそらく、彼らは励ますだろう。

《勉強なんて、いーじゃん》


こんなふうに。


彼らは悪気は無い。

だからこそ茜は怖かった。








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