首筋、君の手が触れた。
それは、
茜の抱えたモノが、
抱えきれない程に、
膨らんだ時だった。
『さ…佐倉さん。』
それは放課後の教室だった。
『…ん、なに?』
茜は教室で勉強していた。
『今日、部活と違うの?』
『…ぁあ。今日は、お休み。』
『でも、バド部外練してる…』
『私だけ…数学やばいから!』
『いいん?』
境智晴は怪訝そうな顔で聞いた。
『なんで?なにが?』
『佐倉さん、部長じゃろ?』
『…そうだよ。』
『俺も部長だけど、
そんなんでサボったらいけんよ!
部長おらんかったら、
士気下がるよ?だから、
斎藤さん達が、……』
智晴が言葉に詰まる。
茜が、鋭く顔を上げ、
彼の目を見た。