首筋、君の手が触れた。




智晴は、自分でも、

何が言いたいのかわからず、

ただひたすらに、

何も考えずに、

茜に叫んでいた。

『俺は、お前に負けてから、

死ぬほど頑張ったんだよ!

お前は知らないだろうけどさ、

俺はずっとお前に、

<学年トップ>のお前に、

勝ちたくて頑張ったんだよ!

お前以外なんか、

敵と見なしてないんだ!

お前は越えるべき敵なんだ!

なのにお前が、

そんなに辛そうにして、

勉強も手につかないで、

部活だって出来ないで…

そんな状態の奴に勝っても、

意味無いんだよ!

お前が完璧な状態で、

俺は勝ちたいんだ!

だから…だ……から………』













< 42 / 110 >

この作品をシェア

pagetop