首筋、君の手が触れた。
智晴は、自分でも、
何が言いたいのかわからず、
ただひたすらに、
何も考えずに、
茜に叫んでいた。
『俺は、お前に負けてから、
死ぬほど頑張ったんだよ!
お前は知らないだろうけどさ、
俺はずっとお前に、
<学年トップ>のお前に、
勝ちたくて頑張ったんだよ!
お前以外なんか、
敵と見なしてないんだ!
お前は越えるべき敵なんだ!
なのにお前が、
そんなに辛そうにして、
勉強も手につかないで、
部活だって出来ないで…
そんな状態の奴に勝っても、
意味無いんだよ!
お前が完璧な状態で、
俺は勝ちたいんだ!
だから…だ……から………』