首筋、君の手が触れた。





場面は変わって、

清掃時間。

毎日、この時間は、

よくわからない緊張が、

漂う時間だった。














境智晴は、雑巾を濡らす。

しかし充分濡れているのに、

彼は一向に動かない。

『おい、境君。

早く行かないと。』

同じ清掃班のクラスメイト、

笹島祐貴が言った。

『あ、うん。…わかった。』

彼は頷いた。







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