首筋、君の手が触れた。





場面は変わって、2年3組。

結局、話し掛けられなかった茜は、


配布物をひたすら配っていた。

彼女は、こういう、

誰がやるとも決まっていない、

面倒な仕事も厭わずやる。

元来、放っておけない。

感謝の言葉をかけてもらえる

わけでもないのだが、

彼女はそれでよかった。





だいたい、この時、茜は、

そんな事を考えちゃいなかった。












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