首筋、君の手が触れた。



『…あぁ、やばいね…』

茜は思わず呟いた。

突風に乗った配布物は、

廊下を飛び越えて、

階下の中庭中に

散らばってしまっていた。


『…はぁ…拾わないと…』

智晴は半ば諦め顔である。

40枚はある配布物。

しかも風は吹きっぱなし。

諦めたくなるのも当たり前だ。




智晴はとりあえず、

中庭に出て、拾いだした。






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