首筋、君の手が触れた。
茜は少し息を弾ませ、
『…はい!26枚だよ。』
と、配布物を差し出した。
智晴が11枚だけなのに、
いったいどれだけ速いのだろう?
智晴は固まっていた。
『………………………』
『…智晴?智晴君?
これ、早く戻って配ろう?』
智晴は目を伏せて、
茜が差し出した配布物を受け取り、
黙ったまま、教室に戻ってしまった。
茜は驚いた。
またもや、無視されてしまった!
しかも、手伝ってあげたのに!
やっぱり私は嫌われてるんだ…
茜は果てしなく落ち込みながら、
智晴の後について、
教室に戻った。