首筋、君の手が触れた。



智晴は、これはだめだ!と感じた。


佐倉が、笹島の家に?

ふたりっきり?

しかもラブストーリー?

だめだ。だめだ。絶対に。

笹島は、馬鹿な奴じゃない。

だから、過ちを犯しはしない。

だが、不安だ。だめだ。

そう思ったら、もう止まらなかった。

気付いたら、叫んでいた。





『…俺も!!

俺もその映画、見たいな!!

俺も行っていいか、笹島?!』







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