首筋、君の手が触れた。
あ、やばいな。
眠たいや、どうしよう。
人の家にいるのに。
智晴が隣にいるのに。
まぁ、でもね、ちょっとだけなら…
と、思って、目を閉じてたら、
人の気配が近づいてきた。
智晴だな、とわかった。
だって二人きりだから。
すると、頬を何かが撫でてきた。
すごい震えていて、気持ちよかった。
優しかった。
やっぱり智晴だとわかった。
二人きりだから。
なんで触れてくるのかな?
私が寝てると思ってるのかな?
でも、なんか、嬉しい。
智晴は、私を起こさないように、
すごく優しい手つきで触れた。
本当は起きてたけど。
でも、いきなり気配が近づいて、
息遣いを感じたと思ったら、
唇に、何かが触れた。
柔らかな、暖かい。
それが何かなんて、
私にだってわかった。