首筋、君の手が触れた。




あ、やばいな。


眠たいや、どうしよう。


人の家にいるのに。


智晴が隣にいるのに。


まぁ、でもね、ちょっとだけなら…





と、思って、目を閉じてたら、



人の気配が近づいてきた。


智晴だな、とわかった。


だって二人きりだから。





すると、頬を何かが撫でてきた。


すごい震えていて、気持ちよかった。


優しかった。


やっぱり智晴だとわかった。



二人きりだから。




なんで触れてくるのかな?


私が寝てると思ってるのかな?


でも、なんか、嬉しい。


智晴は、私を起こさないように、

すごく優しい手つきで触れた。


本当は起きてたけど。









でも、いきなり気配が近づいて、


息遣いを感じたと思ったら、




唇に、何かが触れた。




柔らかな、暖かい。





それが何かなんて、



私にだってわかった。








< 97 / 110 >

この作品をシェア

pagetop