首筋、君の手が触れた。


『はい、お待たせ。

一応お茶とお茶菓子ね。

あれ?佐倉さん、寝てんの?

なぁ、境。』


笹島が微笑みながら言った。


『…ん、さっきからな。

起こそうか?』


『そうだな。

佐倉さん?起きて?』



すると、茜は目を開けた。


『あぁ、ごめん。うとうとして。』


『ううん、いいよ。くつろいで。

………佐倉さん、大丈夫?』



微笑んでいたのに、

笹島はいきなり、少し心配そうに、

茜の顔を覗き込んだ。


『なんで?平気だよ?

早く見たいな!』



茜は不思議そうに言った。



笹島は、気遣わしげに言った。


『そう?佐倉さん、顔、赤いよ?』





『………………!』







茜は思わず、押し黙った。






< 99 / 110 >

この作品をシェア

pagetop