パリの恋
「では、私も一緒にアルルに行きましょう」
「え?」
女性が驚いてロイを見上げる。
ロイは迷っていたが、口にしてみると、それが大したことではなく、一番自然なことのような気がしてきた。
どうせゆっくり過ごすつもりでフランスに来たのだ。アルルには行ったことがない。この機会に行ってみてもいいと思った。
「そうと決まったら急ぎましょう」
そう言ってタクシーを再びつかまえた。
「あの、ええ!?ちょっと待ってください」
女性は突然のロイの提案に困惑し、慌てた。
タクシーが止まり、女性を先に乗せてからロイはリヨン駅へ向かうように言った。
「あなたがアルルに行く必要ないです。どうか、私のことは気にしないでください」
女性はロイにすがるように訴えた。
ロイはもう決めていた。
ほっておけないなら、とことんつきあうまでだ。アルルへ行って、再びパリに戻ってくる。ただそれだけだ。
「お金もなく、どうやってアルルに行くつもりですか?仮にTGVを使わずに行ったとして、食事はどうするんです?ホテルは?女性が野宿するのをほっとくなんて私にはできません」
「でも・・・」
「私のことは気にしなくて大丈夫ですよ。私はイギリスから来ましたが、今回のフランス滞在中に南仏にも行こうと思っていましたから丁度いい」
ロイは嘘を言って、女性が少しでも気兼ねしないように心がけたが、それは嘘とバレているようだった。
女性はまだ何か言いたそうにしているが、何と言ったらいいのかわからないといった風に困った顔でロイを見つめた。
ロイはクスっと笑って言った。
「困惑されるのもわかります。別に私は怪しいものではありませんよ。アルルについて行ってあなたに何かしようってわけではありません。そうだ、彼に証人になってもらいましょう」
「え?」
女性が驚いてロイを見上げる。
ロイは迷っていたが、口にしてみると、それが大したことではなく、一番自然なことのような気がしてきた。
どうせゆっくり過ごすつもりでフランスに来たのだ。アルルには行ったことがない。この機会に行ってみてもいいと思った。
「そうと決まったら急ぎましょう」
そう言ってタクシーを再びつかまえた。
「あの、ええ!?ちょっと待ってください」
女性は突然のロイの提案に困惑し、慌てた。
タクシーが止まり、女性を先に乗せてからロイはリヨン駅へ向かうように言った。
「あなたがアルルに行く必要ないです。どうか、私のことは気にしないでください」
女性はロイにすがるように訴えた。
ロイはもう決めていた。
ほっておけないなら、とことんつきあうまでだ。アルルへ行って、再びパリに戻ってくる。ただそれだけだ。
「お金もなく、どうやってアルルに行くつもりですか?仮にTGVを使わずに行ったとして、食事はどうするんです?ホテルは?女性が野宿するのをほっとくなんて私にはできません」
「でも・・・」
「私のことは気にしなくて大丈夫ですよ。私はイギリスから来ましたが、今回のフランス滞在中に南仏にも行こうと思っていましたから丁度いい」
ロイは嘘を言って、女性が少しでも気兼ねしないように心がけたが、それは嘘とバレているようだった。
女性はまだ何か言いたそうにしているが、何と言ったらいいのかわからないといった風に困った顔でロイを見つめた。
ロイはクスっと笑って言った。
「困惑されるのもわかります。別に私は怪しいものではありませんよ。アルルについて行ってあなたに何かしようってわけではありません。そうだ、彼に証人になってもらいましょう」