ぴんくな彼女
ちがい
バシャッ―――
「バーカ。テメーなんて死ねばいいのに。アハハッ」
「プッ。それ言いすぎだよぉ」
「いやいや、こいつにはそんぐらい言っても平気だってーハハッ」
――下品な笑い声。
あーあ、ばっかみたい。
ここは学校の女子トイレ。
個室にバカ達が水をかけて笑ってる。
ま、その中にいるのは私なんだけど。
「死ね。キモ野」
私の学校でのアダ名はキモ野。
島野零果(しまの れいか)の『島野』からだろうけど、
ありきたりすぎて笑えるわ。
私もそんなアダ名で呼ばれるようなことしてるんだけどね。
なんたって校則違反してるとこなんて、
1つもないぐらいダサイかっこしてるんだからね。
なんのためにって?
そりゃ、
私が有名すぎるからでしょ。