LUNA
■■駅の改札で10時まで待ったが、あの娘は結局現れなかった。
なんでだ?
今日は休みなのか?
それとも地下鉄じゃないのか?
それとも高校自体推理ミスってるのか?

ナオコに近づくために、あの娘からなんとしても香水名を聞きだしたい。

次のチャンスは帰宅時だ
再度、16時から待ち伏せしよう。
しばらく家で休憩し、
16時にまた■■駅に現れた。
今度こそ。

しかし、いくら待っても現れない。
17時
18時
19時
20時
21時

現れない。

あきらめるか。


俺は改札を立ち去って、階段を上り、地下鉄の出入り口の手すりに座り、タバコをふかした。

くそ、へこたれるな。

また、明日も同じ風に待ち伏せるのか?
正直つらいな。

コツン、コツン

いろいろ考えながらタバコをふかしていると、階段を上ってくる足音が聞こえてきた。
ちらっと足音のほうを見ると…

あの娘だった。
あの娘が俺の横を通り過ぎていく。
あの香りだ。間違いない。

胸がばくばくする。


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