雨の道、晴れの道。
十寝坊十
まだ幼いアタシ。
「待って!」
「ごめん、ごめんね」
「いや! 置いて行かないで!」
「ごめんなさい…」
バタン……。
「ヒック…ヒックう…うわああああああああ!!」
泣きじゃくるアタシ。
カチャ……。
途端、泣くのをやめる。
「誰?」
「……」
「父さん?」
「……」
「あのね、母さんが……グスッ」
アタシは父さんの腕にしがみついた。
それと同時に、アタシの手が叩かれた。
バシッ……!!
「と…うさん?」
「触るな。汚らわしい」
「そんな……」
「お前など、生まれてこなければ良かったのだ」
「いやああああああああ!!」
「愛李ちゃ~ん、起きなさい?」
「はぁ~い」
アタシは寝たまま
軽く伸びをした。
白い壁。
ピンク色のカーテン。
なんだ。
夢かぁ。
アタシはホッと安堵のため息をつく。
「……汗、凄いな」
まだ5月なのに、アタシは寝汗をビッショリとかいていた。
シャワーでも浴びよう。
とその時、アタシのお気に入りのピンク色のケータイが、机の上で震えた。
慣れた手つきで、通話ボタンを押す。
「しもしも? 雛森ですケド……」
「しもしもじゃなくてもしもしでしょ! それと、雛森なのは知ってるよ!」
「その声は…誰だっけ?」
「……優奈だよ」
優奈が、ため息をついた。
「知ってる~で、何かよう?」
アタシはケータイを耳に当てながら、クローゼットを開ける。
「ハア…何かようってあんたねぇ……昨日の夜、遊ぶ約束したの覚えてる?」
アタシは、ケータイを持っていない方の手の人さし指を頭に当てて、考える。
「あ~遊ぶ約束した?」
「当たり!! で、何時に駅集合っていった?」
「14時!」
「当たり。で、今何時だと思う?」
何時って……
アタシは壁時計を見る。
「あ」
「待って!」
「ごめん、ごめんね」
「いや! 置いて行かないで!」
「ごめんなさい…」
バタン……。
「ヒック…ヒックう…うわああああああああ!!」
泣きじゃくるアタシ。
カチャ……。
途端、泣くのをやめる。
「誰?」
「……」
「父さん?」
「……」
「あのね、母さんが……グスッ」
アタシは父さんの腕にしがみついた。
それと同時に、アタシの手が叩かれた。
バシッ……!!
「と…うさん?」
「触るな。汚らわしい」
「そんな……」
「お前など、生まれてこなければ良かったのだ」
「いやああああああああ!!」
「愛李ちゃ~ん、起きなさい?」
「はぁ~い」
アタシは寝たまま
軽く伸びをした。
白い壁。
ピンク色のカーテン。
なんだ。
夢かぁ。
アタシはホッと安堵のため息をつく。
「……汗、凄いな」
まだ5月なのに、アタシは寝汗をビッショリとかいていた。
シャワーでも浴びよう。
とその時、アタシのお気に入りのピンク色のケータイが、机の上で震えた。
慣れた手つきで、通話ボタンを押す。
「しもしも? 雛森ですケド……」
「しもしもじゃなくてもしもしでしょ! それと、雛森なのは知ってるよ!」
「その声は…誰だっけ?」
「……優奈だよ」
優奈が、ため息をついた。
「知ってる~で、何かよう?」
アタシはケータイを耳に当てながら、クローゼットを開ける。
「ハア…何かようってあんたねぇ……昨日の夜、遊ぶ約束したの覚えてる?」
アタシは、ケータイを持っていない方の手の人さし指を頭に当てて、考える。
「あ~遊ぶ約束した?」
「当たり!! で、何時に駅集合っていった?」
「14時!」
「当たり。で、今何時だと思う?」
何時って……
アタシは壁時計を見る。
「あ」