ヤキモチ彼氏
吉田君?誰、そいつ。だいたい吉田とかありきたりすぎる名字だし。
「吉田って誰?」
あたしより先に柳矢が反応した。柳矢も知らないんだ、吉田君。
「なんか、いかにも頭良さそうなカンジ」
インテリ系?……勘弁。
「んで?吉田君が何の用?」
どーせ告白か何かだろうな。
「知らない。とりま、行ってきたら?体育館裏で待ってるって」
楓が首を傾げながら言った。
「ん、わかった。」
その言葉を聞いてあたしはギィーッと重たい扉を開けてゆっくり体育館へと向かった。