「課長は私の事、好きなんですか!?」









なんてバカな質問だろうと思ったが、一番気になることだった。










「うん、好きだ。」











ストレートな返事をしてくれた。











「どうして!?なんの取り柄もない私なのに…!」











「ん〜…、気がついたら目がお前の事を追ってた。
俺も気がつかないところで、好きになってたんだよ。」










「理由になってませんよ!」
私は、笑いながら言った。











「あははっ!そうか!
でも、それぐらい好きになるのに理由なんかないって事だよ。」











納得できた。
人が人を好きになるのに、理由なんかあまりない。











自分でも気がつかないところで、その人に惹かれているのだ。












課長の腕の中で、ひとり納得していると、
「桜井。」
名前を呼ばれて、上を向いた。











そこには課長の優しい目があった。
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