恋に落ちた☆アイドル
「じゃあ、またな」
と校門で上原さんとサヨナラした。
少し歩き
ちょっとだけ
後ろを振り返ってみたら
上原さんのスカートが風に揺られ
フンワリ浮き上がり
慌てて手で押さえる仕草が
またキュンとして
なんだか変な気持ちになった。
この感情はなんだろう…
答えが見つからないまま
上原さんのハニカンダ笑顔が目に浮かんだ…。
家まで徒歩で20分ぐらいの道のり
途中 ワンワン!と
子犬を連れた
お姉さんとすれ違ったけど
ヤッパリ
オレがリョウ☆だと気付かない。
自由だ……。
「ただいまぁ~」
と店のドアを開けて帰ってきたら
お客様が10人程いたが、誰もモチロン気付かない。
オレって完璧☆
「幸之助、佐々木さんが来てるぞ。
なんだか急用みたいだぞ」
レジを打ちながら親父が言った。
急用ってなんだろう…。
「サンキュー親父」
階段をいつもの通り
トントントントン♪と駆け上がり
部屋のドアを開けると
「佐々木さぁ~ん
珈琲はいかがぁ~」
ズルッ…
お袋が、またしても佐々木さんにチョッカイだしていた…。
「お袋ぉ~~!!出ていけぇ~~~!!」