桜のなく頃
「あなたの知っているサクラはもう散ってしまったの。」


散ってしまった記憶は、二度と戻らない。


消えてしまったサクラという人格はもうもどらない。


「ごめんね。私があなたの知ってるサクラではなくて…。」




「でもね。

あなたとここにいると感じるの。

サクラの思いを…。」


少女は頬を少し赤らめながら言った。


「好きだったよ。

あなたのこと。」



「半分はあなたの知ってるサクラの思い。


もう半分は私の思い。」




「私はサクラ。

私が誰であろうと、私がサクラである限り、あなたを好きになるのかもね。」
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