桜のなく頃
「久し振り。」

放課後、質問攻めから疲れた様に抜け出した彼女に向かい声を掛ける。

彼女はキョトンとした様子で一瞬固まった後、俺に微笑みを向ける。

「いきなり転校してきたからビックリしたよ。」

「うん、父さんの仕事の都合でね。戻って来れたんだ。」


「そか、久し振りの再会に立ち話もなんだし、どっか座って話そうぜ。」

彼女に缶ジュースを一本投げ渡すと、屋上に向かって歩き出す。



屋上のベンチに二人並んで座る。

「あのさ、確認してもいい?」

彼女は少し申し訳無さそうに口を開く。

「ん?どうした?」


「私達さ、私が引越しちゃうまで仲良かったんだよね?」
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