~Truth~
「ね~、あの子格好よくない?神崎 龍君だっけ。私狙おうかな~?」
「えーっ?私が狙うし~」そんな会話が聞こえてくる。佑を探すと、佑は信太君といい感じになってた。みんなお酒が入ってできあがっていた。あたしもお酒を飲みすぎてすでにできあがっていた。「そろそろあたしは退散するか」そう思い、佑に合図すると一人居酒屋から出た。「ふらふらする~、タクシー、ヘイっタクちゃん!」酔いすぎて、足下がふらつく中、誰かが肩を支えてくれた。「えっ、、龍じゃん」「あんた帰るのかよ」「いいじゃん別に~、今回も出会い無しだったの~」そういいながら手を払い歩き出した。けれどすぐに転んでしまった。「ぷっ、だっせーの。家まで送るよ。ほら、おんぶ♪」「はっ!?おんぶとか無理だし!!」「いいから、いいから」そういうと、龍は軽々とあたしを持ち上げた。「う...、ありがと」「礼は必ずとるからな」「優しくない~」そういう会話をするあたし達はまるで、前からの友達のように普通に接していた。「あっ、そういえばお前さ」「誰にお前よ後輩めっ!」「ごめんごめん先輩、何でさっき佑先輩が知り合い?って聞いた時違うっつったの?」「あれは...その」「俺、結構傷ついたんだけど」「は?」そういう彼はまたあの笑顔を私に見せた。不覚にもなぜか心臓が鳴りやまない。「ぷっ、冗談だっての」「も~、馬鹿!降りるっ」そういうと私は彼の背中からそっと降りた。「ここまでありがとう。じゃあね」「あっ、やっぱなんでもねぇ。じゃあなっ」そういった2人はそれぞれ背中を向き合い歩き出した。

ねぇ。あの時龍はあたしのことどお思ってたのかな?あたしはね..たぶん龍の優しさにふれて嬉しくて嬉しくて仕方なかったと思うんだ。
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