アタシのナイト

一回目

-せりな-

はぁ・・・疲れた。

泣きすぎて疲れちゃった。赤ちゃんみたい。


でも、おかげで涙は大分引いてくれた。




「おい!ちび女!」

後ろから声がした。
見てみると・・・川口翔太がこっちに向かって走ってきていた。


『何よ』

あたしはまた涙腺が緩くなってることを感じ取り、そいつから顔を背けた。

「そっぽ向くなよ・・・って、お前デコから血出てるぞ?!」


『さっき柱でぶつけたの』

あたしがそう言うと"しょーがねーなぁ"と言ってあたしのおでこにハンカチを当ててきた。

―なんでいきなり優しくするの?
さっきはあんな態度だったくせに。


あたしがそう思ってブスッとしてると川口翔太が口を開いた。
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