アタシのナイト
「さっきは・・・ごめんな?」


『・・・え?』


「俺、冗談で言っただけなんだよ。まさか真に受けるなんて思ってなくて・・・」


『すいませんね、冗談通じないやつで』

あたしは嫌みったらしく言った。


なのにこいつはこんな事を言ってきた。



「だから・・・守らなきゃって思ったんだよ」

川口翔太は優しい顔で笑ってあたしのおでこの傷口を拭いている。


「普段は気強そうなのに変なとこで弱いからさ・・・」


『・・・・・・・』


「それに、こんなケガしてるし」


『うるさい』



あたし達はフッと笑った。
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