アタシのナイト
社長令嬢のあたしが寮に入ることを簡単に許してくれないのは分かってたから良い子にしてた。


とにかくとにかく良い子にしてた。

わがままも言わなかった。



そんなあたしの初めてのお願い。


パパとママは戸惑いつつもなんとかOKしてくれた。


「せりなは良い子だからな。寮に入れても問題ないだろう」
パパはそう言った。



違うよ。
あたし良い子なんかじゃない。

全ては計算なのよ?


寮に入って好きなこといっぱいして、ママとパパから解放されるためにあたしを偽ってきた。



でもそれも今日で終わり。

高校では自分を偽ることなく、楽しむの。
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