〜生キャラメル〜


「美姫を泣かせたくせにか?」


え…?俺のせいで美姫が泣いたのか?


『それ、どういうことですか…?』


「そんなん、美姫に聞けよ。一緒に帰るんだろ?」


それだけ言うと、先輩は、小さく、「じゃあな」と言い、片手を上げて、立ち去った。


なんなんだよ!!


走って、美姫の待っている場所へと向かう。


美姫は、グランドの端っこで、なにか、考えているようだった。


『美姫!ごめん!カバンが見当たらなくってっ!んじゃあ、行こ!』


俺は、笑顔で美姫にそう言った。
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