【短編】しろ犬のしっぽ
~幾多の時間(トキ)を経て~
それから、
季節は廻り…
帰る術の無い…
ある日の夕方
私は、
白い子犬と一緒に
夕日の中を散歩に出かけた。
私が
ゆっくりと歩いていると、
子犬は、
まるで
自分で行き先を決めているかの様に、
どんどんと先へと進む。
そして、
途中途中に止まって、
私の方へと振り返る。
「ちゃ~んとついて行ってるよ~」
私が、
そう声をかけると、
子犬は、
理解したかの様に、
すぐに前を向いて進み始めた。
私は、
案内される様に、
子犬の後をついて歩く。
暫く歩くと、
綺麗な水の流れる
川のほとりについた。
「わぁ…」
思わず声を上げた目の前には、
満開に色付いた
牡丹の花
この場所がお気に入りなのか、
想い出の場所なのか、
白い子犬は、
牡丹の花の傍に
ちょこんとおすわりした。
そして、
体を伏せた。
「あっ、
お前の名前、『牡丹』だね。
この牡丹から名付けられたのかい?」
私は、
そう子犬に問い掛けながら、
傍らに座った。
静かな川のせせらぎ。
満開の牡丹の花に、
やわらかな風が吹いた…
季節は廻り…
帰る術の無い…
ある日の夕方
私は、
白い子犬と一緒に
夕日の中を散歩に出かけた。
私が
ゆっくりと歩いていると、
子犬は、
まるで
自分で行き先を決めているかの様に、
どんどんと先へと進む。
そして、
途中途中に止まって、
私の方へと振り返る。
「ちゃ~んとついて行ってるよ~」
私が、
そう声をかけると、
子犬は、
理解したかの様に、
すぐに前を向いて進み始めた。
私は、
案内される様に、
子犬の後をついて歩く。
暫く歩くと、
綺麗な水の流れる
川のほとりについた。
「わぁ…」
思わず声を上げた目の前には、
満開に色付いた
牡丹の花
この場所がお気に入りなのか、
想い出の場所なのか、
白い子犬は、
牡丹の花の傍に
ちょこんとおすわりした。
そして、
体を伏せた。
「あっ、
お前の名前、『牡丹』だね。
この牡丹から名付けられたのかい?」
私は、
そう子犬に問い掛けながら、
傍らに座った。
静かな川のせせらぎ。
満開の牡丹の花に、
やわらかな風が吹いた…