【短編】しろ犬のしっぽ ~幾多の時間(トキ)を経て~
「おかえりなさい、
宗一郎さん」

「ただいま、希毬さん」



「良かったね ―…」


二人を見て、
私が呟いた、その時、

「うッ…」

もの凄い風が吹いた。

目を開けてられないほどの突風に、
耐えられなくなった私は、
思わず、
力いっぱいに目を瞑る。




風は静まり…



胸を撫で下ろしながら、
私が目を開けると…


「あ…れ…?」


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