【短編】しろ犬のしっぽ
~幾多の時間(トキ)を経て~
忘れられぬ言葉
テレビで、戦争についての番組があっていた。
どんな番組か簡単に説明すると、論議番組。
学生服を着た若者やスーツ姿の中年の男性、御老人等々が出て論議している。
いろんな意見や実体験、感想などの話の中、皆の意見は同一に、「戦争反対」だった。
映像が流れた時には、皆、涙を流し、学生は、自分は体験してなくとも、映像で感じたままに泣き、ハンカチを顔に当てたままだった。
私は、ふと思い出した。
ある、言葉を。
【私は、戦争を終わらせるために戦地へ行きます。貴方は、戦争が終わった後の、日本を見て下さい】
もう、忘れられなくなってしまった言葉です。
私は、思う。
兵隊さんは、どんな気持ちで言ったのだろう。
戦地へ向かう内心は、どんなだっただろう。
誰に、告げたのだろう。
家族………
この言葉を告げなければならない人生とは…一体………
恋漕がれ、愛する人に告げたのかもしれない。
心底愛した人かもしれない。
或いは、
初めて愛した人だったかもしれない。
もっと顔を見ていたかったかもしれない。
もっと、傍にいたかったはず。
離れたくはなかったはず。
もう、二度と会えない、見ることもできないとは、どれ程の想いだったであろう。
一緒に過ごすという、期待やこれからの出来事を思い描くことの心躍る様な未来は無く。
与えられず。
一体、どんな思いだっただろうか…
私達は、今こうして、自由だ。
食べれるし、遊べる。
したい事ができる。
強制訓練も強制徴兵も無い。
同じ人間で、こうも違う人生を生きた人がいた事を忘れてはいけないはずだ。
忘れられない。
誰かが、『行きてるだけで、丸儲け』と言った。
誰かが、『私は、周りの人のお陰で生かされてる』と言った。
誰かが、『人生の流れが少しでも違っていたら、私は、もしかしたら、生まれて来なかったかもしれないのだ。こうして、いないはずだったかもしれない』と言った。
今、こうして、自由な人生を過ごせる事を、有難く幸せだと思えない様な人間にだけは、ならない様にしたい。
どんな番組か簡単に説明すると、論議番組。
学生服を着た若者やスーツ姿の中年の男性、御老人等々が出て論議している。
いろんな意見や実体験、感想などの話の中、皆の意見は同一に、「戦争反対」だった。
映像が流れた時には、皆、涙を流し、学生は、自分は体験してなくとも、映像で感じたままに泣き、ハンカチを顔に当てたままだった。
私は、ふと思い出した。
ある、言葉を。
【私は、戦争を終わらせるために戦地へ行きます。貴方は、戦争が終わった後の、日本を見て下さい】
もう、忘れられなくなってしまった言葉です。
私は、思う。
兵隊さんは、どんな気持ちで言ったのだろう。
戦地へ向かう内心は、どんなだっただろう。
誰に、告げたのだろう。
家族………
この言葉を告げなければならない人生とは…一体………
恋漕がれ、愛する人に告げたのかもしれない。
心底愛した人かもしれない。
或いは、
初めて愛した人だったかもしれない。
もっと顔を見ていたかったかもしれない。
もっと、傍にいたかったはず。
離れたくはなかったはず。
もう、二度と会えない、見ることもできないとは、どれ程の想いだったであろう。
一緒に過ごすという、期待やこれからの出来事を思い描くことの心躍る様な未来は無く。
与えられず。
一体、どんな思いだっただろうか…
私達は、今こうして、自由だ。
食べれるし、遊べる。
したい事ができる。
強制訓練も強制徴兵も無い。
同じ人間で、こうも違う人生を生きた人がいた事を忘れてはいけないはずだ。
忘れられない。
誰かが、『行きてるだけで、丸儲け』と言った。
誰かが、『私は、周りの人のお陰で生かされてる』と言った。
誰かが、『人生の流れが少しでも違っていたら、私は、もしかしたら、生まれて来なかったかもしれないのだ。こうして、いないはずだったかもしれない』と言った。
今、こうして、自由な人生を過ごせる事を、有難く幸せだと思えない様な人間にだけは、ならない様にしたい。