love letter〜初恋の奇跡〜
着替えを済ませ
軽く化粧直しをしてから
改めてさっきの手紙と向き合う。
本当は章嘉との待ち合わせもあるし
もう家を出た方がいいんだけど、
この手紙を見なかった振りなんて
できる訳もなくて
章嘉に何て言おうかと
考えあぐねていた。
――コンコン
ドアをノックする音。
「琴羽〜?」
おネェが顔を出す。
「何?」
アタシは封筒をバッグに仕舞いながら
ドアの方へ視線を向ける。
「まだ行かないの?」
「……もう行くよ」
アタシは気持ちが落ち着かないまま
そう言って家を出た。