love letter〜初恋の奇跡〜
「さて、とりあえず行こっか」
林クンは笑いながら前を向くと
車を走らせた。
「ドコ行くの?」
「オレの先輩がやってるイタリアンのお店」
「先輩?」
「そ、料理人の先輩」
「林クン料理人目指してるの?」
「まあね」
――意外だ。
小学生の頃の林クンは
まさにサッカー少年で
夢中になってサッカーの話をしていたのに。
「意外だと思ってるでしょ?」
アタシの考えを見透かしたかのように
林クンは前を向いたまま言う。