love letter〜初恋の奇跡〜
チリンチリンと可愛らしい音をたてて
林クンがお店のドアを開ける。
何も言わずに先にアタシを
店内に招き入れてくれる。
気取らずにそういう事ができるのは
やっぱり女慣れしてる気がして、
なんだか胸にモヤモヤが広がる。
「いらっしゃい…おっ、章嘉来たのか!」
声をかけてきたのは
白いコックコートを着た中年の男性。
胸には”料理長 林猛文”とある。
鼻の下に生えた白髪混じりの髭と
恰幅のいい体つきは
テレビに出てくる料理人を思わせる。