君が生きて 俺は死んだ
びしょ濡れに一糸まとわぬ姿でやってきたユチを見て、先程まで思い返していた映像はシャットアウトした。
羞恥心の欠片もない相手に欲情も照れも生まれなかったが、習慣的にタオルを手渡す俺がいた。
「アイスある?」
「エクレアならあるよ。俺のだけど」
「疲れた時はピノが食べたいのにー」
「ピノ限定ですか」
「…………」
その目はアレか
「……買ってこりゃいいんでしょ」
「別に何も言ってないじゃん」
「見返りがあるなら喜んでパシらされますよ。別に俺プライドとかな」
俺の声を遮るように
「いい。行かないで」
真顔で言ったユチは……
おとなしくエクレアを完食した。
「バニラビーンズの入ってないカスタードって基本的に認めてないんだよね、私」
なら食うな。吐けっ