君が生きて 俺は死んだ
旅行先が決まると、提案者ということで俺がユチをもてなすこととなった。
何にせよ海外行きを阻止できただけで内心はホッとしていた。
パスポートを作るのが面倒臭いのもあるが何より、飛行機が苦手なのだ。
からかわれそうだから黙っておこう……
「じゃあ仕事行ってくる」
「頑張ってね」
「その間にパンフとか持ってきといて。帰ったら目を通すから」
意外にも外出の許可が下りた。
「……ああ、うん」
「何?」
「いやいや何でもないよ。最高のプランを練らせていただきます」
「期待してないから」
自分から外出を促すような発言をしておきながら、ユチは機嫌が悪そうに……
「いってきます!」
……と吐き捨てるように、そのまま仕事へと出ていった。